どーも、
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最近読んだ本についての感想です。
誰がアパレルを殺すのか
対 象:アパレル業界の現状を知りたい方
杉原 淳一,染原 睦美 日経BP社
おすすめ度:★★★★☆
※評価基準はこんな感じ
★★★★★:書評読む前に即注文!
★★★★☆:個人的にオススメ、是非購入検討ください
★★★☆☆:書籍代はペイしそう、立ち読みで気に入れば
★★☆☆☆:立ち読みで十分かな
★☆☆☆☆:時間とお金の無駄
概要
内容は- アパレル業界の歴史、構造の説明
- 業界の各層、川上(素材)~川下(小売)、での問題点の指摘
- 問題点を克服する国内外の勝ち組アパレル企業(のビジネスモデル)紹介
アパレル業界のジリ貧具合を認識させてくれ、読みごたえありました。
一言でいうと、大手アパレル(オンワードホールディングス、ワールド、TSIホールディングス、三陽商会など)は構造不況。
DCブランドブームで栄華を極め、その時の成功したビジネスモデルを根本的に変えることはできず、SPAモデルを導入や中国生産で継ぎはぎしてなんとか対応したものの、それもそろそろ限界のようです。
例えば、
- 売れ残りを前提とした大量生産と値付け(売れ残りはセール、アウトレット、バッタ屋で処分)
- ゆえに原価率が低く、ネット/SNSの発達で消費者にその裏側ばれてきている
- 大型ショッピングセンターの要望に応えるため新ブランドを立ち上げ出店し社内で需要の食い合い
- 商品企画じたいを商社に外注しているため商品を生み出す力が低下(各社が企画外注&中国生産しているため、ブランドタグだけ違う同じ服が濫造)
- 現場の販売員はキャリアなく使い捨てられる
(もちろん要素はもっとあるんですが、詳細は本で。)
うまくいっているアパレル
一方で勝ち組としては、日本の上場企業では、ZOZOタウンとTOKYO BASEが出てました。ZOZOタウンは説明不要でしょうか。
TOKYO BASEは自社製品は日本製、原価率50%(大手アパレルは20~30%、ユニクロで40%ぐらいだそうです。)と質の高さで勝負していて、その高原価を支えるのは日本製であるからこそできる高回転率だそうです。(海外製に比べ製造~販売のリードタイムが短い。)
で、他社製品はセールを避けるため消化率60%未満のブランドは取り扱いをやめ、80%以上のものは取り扱いを増やすことをやっているようです。
また、ある水準を超える売り上げを上げる従業員には、売り上げの10%を支払うというインセンティブ契約となり、若くても高給を得られるということで人材獲得につなげているとのこと。
気になる海外新業態と次の日本の勝ち組
面白かったのは、アメリカのブランド・Everlane(エバーレーン)。2つしかない実店舗はフィッティングの場所で、試着して気に入ったらその場でWeb注文して、家に届けられるそうです。
そして、エバーレーンは服作りに関わる全てをHPで紹介。
世界各地の工場の場所や従業員数、その洋服1枚あたりの商品コストや自社の利益など。
リリース後、大ヒットとなったトレンチコートの販売ページでは上の図の様に生地($38.25)や付属パーツ($3.26)、縫製工賃($17.10)、輸入税($5.22)、輸送費($0.90)。トータルの生産コストが$65であることを示しており競合店で$325となるところエバーレーンでは、$175で販売しています。
引用元:アパレルウェブ
エバーレーンは新しいオンライン型のSPAということで紹介されてました。
ユニクロでさえ曲がり角に来ていているSPAですが、これを日本で始めたところは大きな利益を生むんじゃないかと思いました!
その候補はアパレル製造を始めようとしているZOZOタウン(スタートトゥディ)なんじゃないか??
前澤社長はこんなこといってます。
・世界初の試みになると思います。
・ICT、IoTをフル活用します。
・企画開始から6〜7年かかってます。
・老若男女、広くお楽しみいただけます
まとめ
と、書き始めたら長いうえに、まとまり悪くなってしまいましたが、アパレル業界の現状を知りたい方は是非読んでみるとよいと思います!買ってまで・・・って人は日経ビジネスの本の元になった特集を読むとよいと思います!
そしてファストファッションビジネスの闇を描いたドキュメンタリー映画もおすすめです。
ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~(字幕版)
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